mcgill_exchange’s diary

マギル大学交換留学生によるブログ

酒を片手に、モントリオールから -ビール編- (ぎー)

こんにちは、ぎーです。

 

今回は前回までの人たちとは少し路線を外して、お酒のことについて書きたいと思います。留学なのに、しかも他の筆者さんたちは学校の様子とか書いてるにもかかわらず、なんでお酒なのか?勿論、僕はお酒が大好きです。毎晩お酒を美味しく飲むためにその日を頑張る、そんな軽い目標もあります。でも、最も、お酒は異国の文化、特徴を知るための良い糸口となるからです。お酒を通して、その土地の歴史や地理的特徴、そしてそこに住む人達の文化や風習、味覚などたくさんの事を知る事ができるんです。

 

細かい歴史等はすごく奥深く話が長くなるので、ブログでは省きます。なので今回は、モントリオールでのお酒関連のルールと僕がこれまで飲んできた中で美味しいなと思ったビールを簡単に紹介したいと思います。日本ではなかなかお目にかかれない銘柄、飲むだけで色んな発見がありますよ。

 

まず、モントリオールケベック州)でのお酒事情から。

カナダのお国柄として、お酒に関しては全体的に日本より厳しいです。日本のように自販機でお酒を買えるようなことなんてまずありません。年齢確認も厳しく、酒類購入時には時たま学生証ではなく、公的年齢証明書(パスポートや運転免許証等)の提示を求められることもあります(ダンスクラブ等では写真入りの公的IDの提示が必須)。ただし、飲酒の年齢制限は日本よりも緩く、州によって18または19歳から。ケベック州はマニトバ州、アルバータ州と同様18歳からと、基本的に公的IDを持ち歩けば、日本の大学生以上であればお酒の購入ができます。

しかし、ケベック州酒類の購入ができるのはレストラン・バーを除き次の3つのお店のみとなります。ワインや洋酒全般が購入できるSAQ(Société des alcools du Québecケベック州酒類専門店)・主にビールの種類が豊富なスーパーマーケット・ある程度のビールやワイン、缶カクテル等が購入できるdépanneur(日本でいうコンビニ的な存在)です。

ちょっと日本よりかは厳しい感じもしなくはないですが、慣れてくれば全然へっちゃらかなって感じです。

 

さて次に僕がオススメのカナディアンビールを3つ軽く紹介します。

 

1. Molson Canadian 

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日本で「とりあえず生!」と言いますが、カナダではおそらく「とりあえずモルソン!」となるだろう、カナダの国民的ビール。醸造所は1786年創業のMolson。なんとこのMolson、北米大陸最古のビール醸造所でしかもモントリオール発なんです。メープルの葉がどんと大きく中心に描かれ、国歌のごとく「Oh, Canada!!」と思わず言ってしまいたくなるラベルデザイン。味もモルトの甘さとホップの苦味のバランスが絶妙で、後味のキレもよくすっきりとしていて万人ウケする美味しさです。モンドセレクション等複数の国際ビール大会での入賞経験もあるMolson Canadianですが、お手頃な値段と、ビール好きの学生にはもってこいだと思います。カナダの国民的スポーツであるアイスホッケーのカナダリーグNHLの公式ビール、どこのバーでも必ず置いていると言っても過言ではないことからも、カナダとMolson Canadianは切っても切れない縁にあることが一目瞭然でしょう。カナディアンビールの中で個人的に1番オススメしたいビールです。

 

2. Tremblay 

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1998年創業Les Brasseur RJで醸造されているモントリオールビール。100%モルトを使用し、程よい甘さと苦味、そして口に含んだ瞬間からシトラス等のアロマが広がる香り豊かなブロンドビールです。上のMolson Canadianと比べ多少後味に苦味が残りますが、ストンと軽く入ってしまう印象があります。欧米的な肉料理の他、日本や中華といった普段日本人に馴染み深い料理のお供としても活躍するでしょう。またMolson Canadianに比べて価格帯もさらにお手頃な為、普段飲みには丁度だと思います。

 

3. Sleeman series

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カナダビール会社MolsonとLabattに次ぐカナダ国内第3位のシェアを誇る1834年オンタリオ州グエルフで創業のSleemanから発売されているビールシリーズ。様々な種類があり、飲み比べにはもってこいの銘柄です。特徴はなんと言ってもこの斬新な透明ガラス瓶。日本のホッピー等の紙ラベルなしの瓶を彷彿させるこのSleeman瓶、実は20世紀初頭にはモントリオールで結構人気だったらしいです。また、僕的にこのロゴがMolsonとは違うカナダっぽさがあって好きです。メープルの葉っぱにビーバー、こりゃJustin Bieberもきっと喜んじゃいますね笑 僕が飲んだSilver Creek Lagerは苦味を特徴とするピルスナースタイルのビールの為、喉を通った後に苦味が残ります。しかし、Tremblay同様低価格帯ビールの為、苦味が苦手でなければ普段飲みには十分だと思います。ちなみにこのSleeman、2006年からは日本のサッポロビールの子会社となったらしいです。考えると、カナダでは日本のビールメーカーではサッポロが圧倒的に勢力が強い印象があります。意外にもカナディアンビールと日本ビールの関係が見えるビールです。

 

こう見てみると、意外にもモントリオールはビール文化が根深いことがわかりますね!モントリオール、ビール好きにもとっても魅力たっぷりな街でしょ?笑 またケベック州自体もビールとの繋がりが深く、ドイツビールのように大きな瓶に入ってワイン的な感じで飲むような銘柄もあります。僕には少し高くて普段飲みにはできないのですが、機会があったら飲んでみようかと思います。

 

ここからは僕の持論になってしまうのですが、冒頭に書いたようにお酒はその土地の文化や風習を学ぶ良いきっかけとなります。さらにそれだけではなく、僕が思うにお酒は感性を磨いてくれる刺激の1つにもなり得ると思うんです。

僕は今期マギルに来てる交換生の中では1番アカデミックではないと思います。だからこそ、前に書いてくれてた人たちの様に、小難しくて深い事なんて書けないし、考えもできません。でも、これは負け犬の遠吠えかもしれないですが、僕はずっと頭の良さよりも自分の感性を磨く事を重要視しています。なぜなら、感性が生きる上でのすべての根本になると思うから。

個人的にソムリエさんって感性の塊だなって思うんです。だって、ブドウだけからしかできてないワインを、例えば「湿った木」だとか「カカオの香り」とか「燻した藁の香り」とかブドウ以外の物の名前を使って細かくジャッジするんです。これ、五感を働かせて色んな種類のワインの味を研究して、さらにその他の沢山の物から感性を刺激して訓練しないとこんな表現の仕方できないでしょう?

そんな感性を磨きに磨いた位の高いソムリエさんの評価によってワインの価値が決まるわけです。要は、ベテランなソムリエさんの意見がワイン業界では正論となるんです。

僕、これはワイン業界だけではないと思います。ワイン業界以外の世界でも、感性を磨けば磨くだけ社会で活躍できるチャンスが生まれてくるんだと思います。様々なものから刺激を受けて感受性を磨き、そうして生まれた感性からその人の人格が形成されていったり、時には世界を変えるようなアイディアが作り出される。感性の豊かさって人生の可能性の広さに比例してるんじゃないかって思うんですよね。

また、基本的に感性って真の自分自身なわけだから、理性ではなく感性に従って生きたほうが自分の幸福度が増すと思うんですよね。よく、寒いときとか怖いとき以外にも鳥肌立つことってあるでしょ?それ、自分の感性が無意識にその事柄に反応して、自分にとっての良し悪しを区別している証拠だと思うんです。自分の良いと思ったことを突き通して、それがもし社会的にも認められたら、それが1番自分にとって嬉しい事だって考えると、感性を磨く事が、自分的にも社会的にも良い判断をするベースになると思います。

感性っていうものは絶対勉強だけでは鍛える事は出来ない、他の色んな事からもたくさん磨けるんです。だから僕は、他人よりもアカデミックで論理的な事が考えられなくても、その分人一倍五感を働かせて、生涯を通して自分の感性を磨いていきたいなって思ってます。美味しいお酒と料理に舌鼓を打ち、自分の好きなように勉強して学び、質の良い映画や音楽、絵画等の芸術作品から沢山刺激を受け、色んな所の文化や自然の美に翻弄され、そして世界の色んな人と交流して自分の価値観を広げながら…

 

モントリオールは、歴史と文化に富んだアートの街であり美酒美食の街、また多くの学生が集う知識の街でもあります。日本とはまた別に、感性に刺激を与える事ができる最適な環境であると僕は思っています。

 

エラスムスの「酒の中に真理あり」という言葉を信じながら、今日も僕は1人ビールを片手に夜を楽しみます。

長々とつまらない持論ばかり申し訳ないです。

ではでは、

ぎー