mcgill_exchange’s diary

マギル大学交換留学生によるブログ

Cog in the machine 留学を通して -ユリ-

初めまして、マギル大学に交換留学中のユリと言います!
以前はマーケティングと経済学を専攻していたのですが、本当に自分が学びたいことが見つかり、現在は人類学と社会学を専攻しています。

マギルを選んだ理由、留学をしようとした理由を述べようとを思ったのですが、他の皆と共通している点が多かったので、今回は留学を通して変化した人生観・自分の価値観について、簡単にお話ししていきたいと思います。

 
まず、かんさんのベルトコンベイヤーについて、私も思うことがあったのでそれについて少し書きたいと思います。
日本の教育がベルトコンベイヤー式なのは第二次世界大戦で日本がアメリカに負け、アメリカが日本を第二次産業アウトソーシングの場所として使用したところから始まっていて、"文句を言わずに順応で言うことを素直に聞く人間" を作ろうとして、日本の教育システムを変えたとことから始まっていると、私は考えています。


しかし、世の中が、第二次産業から第三次産業にトランスフォームしていき、クリエイティビティーやリーダーシップが必要不可欠となってきている時代になったことで、アメリカが作ったベルトコンベイヤー式の日本教育(順応で、いわば使いやすい性質)と企業、社会の需要の間で大きなずれが起きてしまっている、というのが今の日本の現状だと感じています。

この状態を見て、日本の教育を変えるべき、センター試験を廃止するべき、などという意見が増えているにも関わらず、なかなか具体的な案が出て来ず、他の国の成長に比べ、遅れをとっているようにも見受けられます。このような、能動的で順応な労働者を生み出している、vicious circleをうまく回避するためには、自分の力で考え、自発的に物事に取り掛かっていけるような力をより強化する教育方法、育成の仕方に変えていく必要があると痛感しています。(道徳の学習など、日本人として生きていくために必要な学習もあるので全てを変えた方が良いというのではないです)

 

これは、カナダでの留学を通して感じたことと関連していると気づきました。留学をする前までは、人生においての成功というのは、決められたルールのもとみんなと同じコースを通り、勝手に決められた "successful life"という形式的なロールモデルを目指し、成功というステータスを得るために、ただただ努力すること (just like cog in the machine) だと錯覚していました。良い人生を送るために良い会社に入り、体を酷使してでも働き続け、良い大学に入るために睡眠時間を削り、他に自分の興味があることを制限してでも死ぬ気で勉強する (少し大げさにいうと)。もしそれが達成できなければ、いわゆる社会の"loser"と呼ばれてしまうかのように。

しかし、人生を成功と失敗の二つのカテゴリーに分けること自体が違うのでは?そもそも良い人生、成功とは誰かが勝手に決めた定義にすぎず、皆に該当するものではないのではないか?型にはまった人生が本当に成功と言えるのか?などと考え始めました。

そして、全く異なるバックグラウンドからくる交換留学生や、現地の生徒と将来の夢や人生の目標について語り合うにつれ、"良き人生", "successful life"とは人それぞれによって全く異なり、一人一人、良き人生、自分にとっての成功に向かうための自分のコースがあることに気づかされました。

人生は社会が決めた "理想的" なモデルに沿って歩むのではなく、自分のチョイスで作っていけるものであるのだということを。みんなと違う道を通っているからと言ってそれが失敗ではないということ、みんなと違うことをする勇気、そして自分の信じることを貫くことの大切さを学びました。

 
多くの人と関わるたびに自分という人間と向き合うことができ、"周りがどうこうしているから" ではなく、自分が本当に人生において達成したいことは何なのか、何を大切にして、どのような生き方をしたいのか、何が自分にとっての成功で、幸せな人生なのか。
この留学を通して、改めて自分の根本的な価値観を見つめ直すようになりました。


留学は自分が専攻している教科についての知識が深まるだけではなく、精神的にも自立/成長ができ、様々なバックグラウンドの人たちと価値観を共有したり、意見交換をすることができるので、自分の世界をひとまわり大きくするにはとても良い機会だと思います。もし、留学を考えている方がいれば、私は全力でサポートします!

 

 


日本語で書くのが中学生以来であまり慣れていないのですが、最後まで読んでいただき、ありがとうございました!次もお楽しみに〜!